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    イタリア留学コラムう


    2021.06.04

    イタリアの不動産価格

    イタリア不動産、マンション、イタリア、イタリア生活、イタリアライフ


    イタリアで家探しをするとどうなるのでしょう?
    イタリア留学での滞在先、シェアアパートやホームステイというケースがほとんどかと思いますが、将来、縁あってイタリアに住むことになることも可能性としてゼロではありません。

    イタリアの不動産事情とは?日本とどれくらい違うの?

    今回はイタリア不動産事情をお伝えします。


    1、日本の数値を確認

    東京、街並み、高層ビル群、日本

    まずはイメージし易いように日本の数値(2019年)を見てみましょう。

    住宅購入価格の全国平均は、土地付注文住宅が4256万円、建売住宅が3494万円、マンションが4521万円、中古戸建が2574万円、中古マンションが3109万円。

    東京23区の数値はと言うと、新築マンションの平均購入金額は6395万円、平均専有面積は63.6㎡です。つまり1㎡あたり約100万円です。さすが首都、東京・・・。額が違いますね。

    2、イタリアの不動産マーケット

    イタリア不動産、部屋、ダイニング、マンション、イタリア生活、イタリアライフ

    新型コロナウィルスの影響でイタリアでも経済的ダメージは大きく、経済的困難者が増えているのですが、不動産マーケットの動向には大きな変化がないようで、数年前からの下降傾向が2019年後半から上昇傾向にあり、今後数年間は楽観的な見方が大半のようです。

    2021年春の住宅売却希望額(新築中古、一戸建てかマンションかの違いはありません)を見ると、1番高いのがトレンティーノアルトアディジェ州(2731ユーロ/㎡)、続いてヴァッレダオスタ州(2565)、リグーリア州(2507)と続き、一番低いのがカラブリア州(936)です。

    イタリア不動産、ミラノ、マンション、イタリア生活、イタリアライフ

    ミラノのあるロンバルディア州を見てみましょう。

    住宅売却平均希望価格は2081ユーロ/㎡。
    そしてミラノ市の平均が4783ユーロ/㎡。ミラノ市では中心街が最も高く9405ユーロ/㎡で市内の最安地区は2460ユーロ/㎡です。これを日本円(1ユーロ130円とする)に換算すると、ミラノ市平均約62万円/㎡ですから、東京23区よりは安く、手が届く金額かもしれませんね

    同様にローマ市、フィレンツェ市、ナポリ市、パレルモ市の数字をあげておきます。

    平均値(ユーロ/㎡)
    最高値(ユーロ/㎡)
    最安値(ユーロ/㎡)
    ミラノ市 4783 9405 2460
    ローマ市 3267 7406 1663
    フィレンツェ市 4077 5156 3017
    ナポリ市 2717 4749 1356
    パレルモ市 1325 1892 927

    傾向として、北部の大都市での不動産価格が南部に比べて高いようです。

    これは以下で述べますが、北部の方が生活の質が高い結果でしょう。
    同じ市の中でも価格には違いがあり、イタリアは観光業との結びつきが強く、市の中心街はそのような理由もあって価格が高いと思われ、また地元で高級住宅街とされている場所は当たり前ですが街並みがきれいで治安が良いのが特徴です。
    フィレンツェ、フローレンス、イタリア生活、イタリアライフ

    フィレンツェを例にとりますと、いわゆる歴史地区の中でもオルトラノ地区が最も人気があるようで、そこからミケランジェロ広場に向かうあたりが高級住宅地でもあり一番価格が高いようです。

    フィレンツェでは歴史地区内(市中心部)の外国人観光客や若者に人気のエリアでの騒音被害などや交通規制問題からくる不便さが問題となり、昔からの住民の流出も起きています。
    歴史地区から一歩外に出た北側の地区は治安が比較的良く、交通の便や買い物の便もいいことから人気があります。反対に治安の悪い地区は住宅価格は低いようです。

    3、イタリアの不動産、どんなスタイルの家が多い?

    イタリア不動産、アパート、集合住宅、マンション、イタリア生活、イタリアライフ

    都市部にはいわゆる一軒家もありますが、よく見るのは集合住宅、つまりひとつ屋根の下にいくつもの「家」があります。ただし高層マンションはほとんどありません。

    そしてイタリアの一軒当たりの平均専有面積は117㎡で、これは日本と比較して特別広いというわけではないようですが、天井が高いせいか内部は日本の家よりも広く見えますね。

    都市部では新しく建てる土地があまりないため「新築」住宅はあまりなく、古い建物は数百年前のものもあります。外門からは想像できないように中は広かったり、建物の裏側に庭が広がっていたり、ということもあります。

    ただし古い建物は窓の立て付けが悪かったり、配管などに問題があるケースもあるので、いつ改築・修理が行われたか確認したほうがいいですし、壁が分厚いために暖房費が高くなることがあります。

    イタリア郊外、アパート、集合住宅、イタリア生活、イタリアライフ
    都市から郊外に出ると新築物件もありますし、一軒家も多くなります。

    そして価格も低くなります。
    通勤・通学に時間がかかるようになり、便利度も下がりますから、そこは日本の事情と同じですね。例外として、郊外の風光明媚なところは高級住宅地や別荘地ということもあり値段は高くなります。

    4、家の間取り

    間取り、アパート、集合住宅、イタリア生活、イタリアライフ

    家の間取りは、モノロカーレ(文字通り1部屋のみでキッチンと部屋が同一空間です)、ビロカーレ(1部屋とキッチン付きリビング)、以下はVaniという単位を使って表示され(3 vani, 4 vani…)、Vaniにはキッチンとバスルーム(トイレ)は含まれないので、4vani + キッチン+ 2 バスルームと表示されます。

    そして集合住宅が多く何階かも価格に影響するので、売り出し広告にはエレベーターの有無と共に記載があります。通常は最上階(屋上つきはさらに)価格が高いです。

    夫婦に子供が1人いれば、やはり3vaniは最低でもほしいものです。筆者の住まいの近く(閑静な住宅街)の3Vaniの売り出しを検索したところ、60㎡くらいで30万ユーロくらいでしょうか。ただし立地、住宅内部のコンディションなど様々な要素がありますので、住宅を一概に判断するのはやはり難しいですね。

    5、改装好きのイタリア人

    改装、DIY、アパート、集合住宅、イタリア生活、イタリアライフ

    さて新築住宅はあまりないと言いましたが、世界遺産に指定されている場所でなくても、改装には届出もしくは許可申請が必要になることが多くて容易にできるわけではありませんが、家を買ってからすぐにもしくは徐々に自分の好みの家に作っていくのがイタリア人です。

    イタリア人は住まいにこだわりのある人が多く、届け出の必要のない壁の塗り替えなどを始めDIYに積極的です。
    ホームパーティーを開くこと、呼ばれることが多いので、その家のこだわりを目にすることができます。またイタリア人は家族を大事にするからか、祖父母が使っていた家具を大事に使い続けていたりもします。

    6、イタリアの別荘について

    別荘、イタリア生活、イタリアライフ

    イタリア人は別荘を持っている人が少なからずいます
    特別お金持ちということではなくても、海や山にセカンドハウスがあって、親戚同士で休みをずらして使ったりしているのです。従って不動産マーケットでも、別荘地カテゴリーは常に注目の的です。

    新型コロナウィルスの感染予防として外出制限が今も何らかの形で続いていますが、この別荘地へ行けるかどうか、どうやったら行けるか、行政側ではどういう措置をしたら別荘地に感染が持ち込まれないかが争点になるくらいでした!

    またセカンドハウスを外国人留学生に貸したり、B&Bに作り替えたりという人たちもいるのはまさに観光立国イタリア、というところでしょうか。

    7、イタリアの街住みやすさランキング

    ボローニャ、住みやすい街、イタリア生活、イタリアライフ

    最後にイタリアの街住みやすさランキングを見てみましょう。(Il sore 24 oreという全国紙が毎年行っている調査です)家選びの参考にしてみてください。

    指標は大きく6つのカテゴリーに分かれ、①富と消費力、②ビジネスと労働、③環境と行政サービス、④人口統計と健康、⑤司法と安全、⑥文化とレジャーです。指標によっては新型コロナウィルスの影響が見受けられますが、ランキングに際立った変化は見られず、北高南低の様子は明らかです。(107県対象)
    1位はボローニャです!エミリアロマーニャ州にある9つの県のうちボローニャを含め5県が20位以内に入っています。これはやはり特筆すべきことかと思います。

    総合
    ボローニャ 1位 1 4 2 60 105 3
    ボルツァーノ 2位 33 5 27 5 30 42
    トレント 3位 9 6 4 12 40 97
    ヴェローナ 4位 11 14 13 35 49 36
    トリエステ 5位 25 1 3 86 100 12
    ミラノ 12位 3 3 1 92 106 18
    トリノ 21位 7 7 16 83 90 45
    フィレンツェ 27位 14 10 6 75 107 10
    ローマ 32位 29 8 32 59 101 28
    パレルモ 89位 81 89 92 27 50 98
    ナポリ 92位 76 94 70 85 77 70
    レッジョカラブリア 95位 96 92 86 34 52 100



    さいごに

    イタリア、街並み、イタリア生活、イタリアライフ

    今回はイタリアの不動産事情をご紹介しました。
    日本と共通部分もありつつも、イタリアならではの特徴もあったりと、興味深かったのではないでしょうか?

    イタリアへ行って、ぜひイタリアの色々な不動産をご自身の目でチェックしてみましょう!